本当にファンに愛される球団とは…
7.ファンサービスは…色々やってみれば良い
私は「メジャーリーグ」というものに、全くと言って良いほど、興味が湧かない。理由ははっきりしていて、結局恒常的に「現場」で見ることができないし、衛星放送などのメディアを通じてしか見られない。仮に1度でも、あちらの球場に出向いて試合などを見れば、それなりの感動も得られるだろうが、恐らくそれで終わってしまう。また、メディアを通じての場合でも、時差があるから見られない時間帯も多いし、スポーツニュースでの「切り売り」的な情報だけでは、事実を知るのみである。切り売り情報では、松井がホームランを打ちまし!イチローがヒットを打ちました!大塚が投げました!けど、所属チームの勝敗は?順位は?相手チームは?といった、詳細情報が判らない。と言うか、判ろうとしないというのが正解であろう。しかし、現状のスポーツニュースでは、日本のプロ野球よりも「日本人メジャー」ということで、切り売り情報が先に流されるので、要望するファンの方が多いのだろう。ま、価値観の相違ということで、片付けられる範疇である。
よって、昨今言われる「日本のプロ野球の在り方」でも、多く提案されるのが「メジャーの例」であって、ポストシーズンや交流戦など、あちらとの違いが指摘されるが、正直私はメジャーを良く知らないので比較できない。ただ一つ、あちらとこちらの決定的な違いは、あくまで「制度上」の公平を保とうとするのが日本で、あちらは制度上の公平より「ファンが望むもの」を、トッププライオリティにしている感じは受ける。例えば交流戦でも、日本は杓子定規に全カードホーム&ビジターを組んでいるが、あちらは全カードではない。だからと言って、あちらはいい加減な運営とかではなく、ポストシーズンなんかでも賛否両論で、日本で思っている以上にワイルドカード出場チームが、ワールドシリーズを制覇すると批判の対象になったりもしている。が、しかし、どの選手でも「ファンが望むこと」であれば、選手としては取り組むのは当然という意識は強いようで、これは日本人選手以上に、メンタリティはしっかりしている。
で、話は日本だが、現行のパリーグとセリーグの違いについて指摘され、だからパリーグが人気がないとか、パリーグはレベルが低いなどと、よく野球を知らないバカな芸能人がテレビで言うが、そうではない。具体的には、指名打者制・前後期プレイオフ(昭和48〜57年)・セリーグより先行開幕・5ゲーム差プレイオフ(実施されず)・予告先発投手・3位以上プレイオフ制など、これらはわざわざパリーグ自ら実施して、セントラルリーグとの差別化している。理由は当然だが、観客動員を増やすためとか、ファンの注目を集めるとかであり、人気で劣っている面を少しでも回復するための「施策」であるのだ。よって、選手にしても球団にしても、優勝は目標ではあるが、優勝が全てではなく、どれだけファンを喜ばせたかが重要なのである。このパリーグの、イベントとしての施策は、その内容の良し悪しは別として、大いに賞賛されるべきである。お客さんを呼ぶために、様々な工夫をしてみる、それが受ければ続ければ良いし、ダメだったら辞めれば良いし。実際に、現在のプレイオフにしても批判はあったが、机上の空論ではなく実際にやってみればどうなるか?というのは、全然見当がつかなかったので、ま、軽い気持でやってみればとは思っていた。確かに、過去2年間は大いに盛り上がり、昨年などは実質的な日本シリーズでもあった。しかし一方で、選手の負担の大きさはあると思うが、そこはファンのなりわいであるプロ野球であるから、嫌だという選択肢はないのだ。だから、セリーグもプレイオフをやろうという動きもあるようだが、同じではダメなので、セリーグが導入したら、また新たな施策をパリーグは考えて実行して欲しいとは思う。
要は、リーグ運営にしても交流戦でもそうだが、色々試みてみれば良いのだ。昨年から導入された交流戦でも、やる前は色々と渋っていたものの、実際導入してみればこれだけ盛り上がるわけで、何でもっと早くという話になる。とにかくファンが望む対戦や、楽しいイベントなどは、1度やってみて、ダメだったら改良したり止めるなりすれば良い話である。よってファンは、どんどん意見や提案をすべきであるし、仮に失敗したイベントであっても、必要以上に非難しないことも重要である。昨年の新球団、ソフトバンクや楽天にしても、確かに既存球団にはないイベントを導入して、成功いたものもあれば、失敗もあった。けど、これらも「試み」であるから、必要以上に非難される必要はない。一番いけないのが「マンネリ」であり、ファンに「あぁ、あれはいつもやってることだから…」と思われてはいけない。近鉄の末期などは、Tシャツとか人形とか、何かモノをくれる時だけ来る奴が多く、随分バカにされたものである。
ただソフトバンクと楽天だが、パリーグが全て行っていると思われている、ビジターチームが勝利した時の、ヒーローインタビューの場内放送だが、これはルールではなく申し合わせで「できるだけそうしましょう」程度に留められている。で、実際にはどうかと言えば、2004年まではダイエーだけが行わず、2005年以降はソフトバンクと楽天が行っていない(但し、プレイオフ等では別)。恐らく、圧倒的にホーム優勢の状態であるから、やる必要なしとでも思っているかも知れないが、数は少なくても、ビジターのファンも立派なと言うより、有難いお客さんなのだから、それくらいのサービスはしても良いだろう。セリーグでは、唯一決してホームが優勢ではない横浜ベイスターズ(
日本一のおバカ球団だから説得力がないが)のみが行っている。このあたり、楽天のスタッフのインタビュー記事を読んだが「ボクにとって、ホーム&アウェーの考え方は重要で、NFLのカリフォルニア…とダラス…の試合で、コットンボウルではカリフォルニアのファンなんていないですよ!」と、素っ頓狂(そもそもいい歳して、テメーのこと『ボク』だって)な記事であったが、ボクにとって重要ではなく、ファンにとって何が重要かを、考えた方が良い。ビジター排除の発想は、余り良い気分はしないし受け入れ難い。ファンが望むことは、ファンも多様化しているので一概には難しい。昨年から巨人は、ファンサービスをやるんだ!と、掛け声だけで、何もしなかった。ポイントは、ファンサービスの中で最も重要なのは「選手の参加」であって、幾ら有名だからといって、ナベツネと清武のサイン会など全く意味がない(案外そうでもなかったりして)。球団は、選手の負担は最小限に留めても、できるだけ選手参加のイベントを企画し、できるだけ多くの機会を創った方が良いだろう。ファンが望むのは、少なからず選手と触れ合うこと。最近選手のコメントで「良いプレイをすることでファンサービスをするのが本筋」というコメントを良く聞くが、そんなのは当たり前だ。プロなんだから、良いプレイをする、手抜きしないなんてのは当然で、それにプラスアルファが必要なのが、議論の対象になっている。定番のサイン会や握手会はもちろん、試合前のキャッチボールに選手が参加したりするのも良い。球団のファンサービスも、これをやれば人気が出るというものはない。逆にあれば、既にどの球団も実施している。よって、その都度タイムリーなサービスを提供する必要があるから、球団にはそれ専門に行う部門が欲しいのだ。昨年楽天はシーズン中に、1軍選手が交代で仙台市内の小学校訪問を義務付け実施した。昼前から小学校に行き、給食を一緒に食べたり、遊んだりしたそうだ。山崎武司が小学校訪問した日、そのまま子供たちもナイターに招待され、その試合で山崎がホームランを打って勝ったそうだが、こんなのは最高だな。何が価値があるかって、昼間目の前に来て、一緒に遊んでくれた選手が、その夜にヒーローとなってしまうのだから、子供たちにはたまらない。これらも、球団フロントが学校や地域の了解を得るなど、下準備をして選手には来てもらうだけの状態にして成り立っている。巨人のように、ただ専門部門を設置すればファンが納得するとでも思っていては、簡単に見透かされる。
以前、大阪ドームの消化試合で、ライトスタンドに坂口・筧・横山(現オリックス)が登場して、一緒になって応援なんかもしていたことがあったが、その部分では選手個々の裁量に任せるとしても、リーグや球団が決めたファンサービスについては、選手には拒否する選択肢はない。選手は、球団にリスペクトされている以上、球団の方針には全員従わないといけないのである。判ったかな?日本の球団に拾われて、最近殊勝になっている「N村N洋」クン!(笑)