2005プロ野球かくあるべし!

20.2006年の楽しみ方・・・

改革元年と云われた2005年も、千葉ロッテマリーンズの31年ぶりの、リーグ優勝および日本一で幕を閉じた。その「改革」という点では、確かに交流戦の開催や、高校生ドラフトなど、イベント的にも制度的にも多少の変化はあったが、昨年あれだけの騒動であったにもかかわらず「これだけ?」という実感である。しかし、制度変更は一朝一夕には行かないのが現実で、ソフトランディングは仕方ないのだが、例えばドラフト完全ウェーバー制は何年から実施するとかの、スケジュール感でも良いから方向性を示して欲しかったが、相変わらず既得権の保持に走っているように見えてしまったのが残念だった。ま、あれやこれや考えると、特に「Gのお陰でやって行ける」分際で、偉そうなセリーグの幾つかの球団に腹が立ってしまうが、それはそれとして、2006年度の楽しみ方的なことを考えて行きたいと思う。

2006年は、世界のスポーツでビッグイベントがある。まずは、サッカーのワールドカップであり、冬季トリノオリンピック。野球では「ワールドベースボールクラシック」という、野球の国別対抗戦がいよいよ開催される。この大会、その仕組みが今ひとつ掴めないが、恐らくまずやってみて、その上で徐々に改善を加えて行くというスタンスであろう。今でこそ、世界最大のスポーツイベントと言われるサッカーのワールドカップも、開催当初はFIFA(世界サッカー連盟)の趣旨が判らず、欧州の強豪国が参加しなかったとか、予選が過熱し最後は本当に戦争になったとかあったそうだ。で、野球も当然のように、発祥国アメリカが中心に主宰するようで、諸問題がありそうだが、日本は世界の中でも「野球先進国」として、この大会には積極参加して欲しいと思う。何でもそうだが、参加していないとか、消極的だとかのスタンスの者は、発言権などはないし、それで発言しようものなら反発の対象となる。従って、もちろん参加する以上は勝利に拘って欲しいが、その中で反省点や改善点などを抽出して、もっと世界中に野球文化が広がるよう寄与して欲しいし、引いては国内の野球熱も活性化されると思う。

さて、国内のリーグだが、パリーグのプレイオフが開催され3年目を迎えるが、過去2年はリーグ戦2位のチームが勝ち上がっている。開催球場を、上位球団の本拠地にするなどのアドバンテージ盛り込んでいるが、実際どうなのだろうか。選手たちは、スポーツマンだから、負けたって言い訳などはしないので、本当の意味でのアドバンテージになているのか判らないが、ソフトバンク王監督の言う「試合をしていない不利」というのは感じずにはいられない。余談だが、同じことを日本シリーズの相手阪神が言ったときは、頭に来たが、同一リーグだと考えさせられるのは何故だろう。ソフトバンクは「意見」で阪神は「文句」に聞こえてしまった(苦笑)。ま、それはそうとして、もう一点が今季は3位チームが5割を切るなどで、相応しさという点で疑問も投げかけられたが、終わってみれば確かにそんな気もする。勝手なもので、3位以内でも僅差であればプレイオフも良いと思うが、差が開けばプレイオフなんてとも思えるから、シーズンが終わってみないと判らない。とはいえ、多面的な判断基準もややこしいので、シンプルに制度改革を望みたい。過去2年やってみて、ボチボチ見直しも良い時期である。で、個人的な意見としては、1位と2位だけで良い気がする。まあ、ゲーム差や勝率の要素も大事だが、来季はとりあえず2位以内で、1位球団の本拠地で3勝先行で優勝としたらどうであろうか。これも、制度改善が見ものである。

続いて交流戦だが、開催趣旨がパリーグ側の収益改善からの要求であり、シーズン終了後に、セリーグ各球団が「赤字」だとの発表が相次ぎ、後味の悪さもあった。しかし、ファンは概ね楽しめたのではなかろうか。まず、行ったことのない球場に足を運んだり、見たことのない対戦相手の新鮮さ、DHのあるなしによる違いも楽しめたのではないか。特に、交流戦期間中は各球団指向を変えて、ユニホームを変えたりマスコットが行き来したり、限定グッズの販売などの工夫が見られて良かった。それだけに、現場レベルの頑張りを考慮しない、フロント側の軽はずみな発言、具体的には讀賣・横浜フロントの「オリックスじゃ入らない」というのは非常に残念だった。私はパリーグサイドなので、セリーグ各球団の対応が面白く、横浜では現役時代の長距離打者だったコーチのホームラン対決、神宮ではヤクルト選手によるサイン会が開催された。また東京ドームの巨人戦では、外野スタンドの警備員が神経質なまでに、応援エリアの厳守を促している姿が印象的だった。来季は、上手い具合に日程が組まれれば、ナゴヤドームや広島球場に遠征してみたいと考えている(甲子園は必要ない)。

ドラフトの改革だが、高野連からの強い要望もあって、高校生だけは早めに実施したのだが、これでは、大学・社会人の有望選手共々、特定球団に入団できる仕組みになってしまった。また、今でもしっかりとルールを押えていないのだが、かなり複雑なルールになっている。大学・社会人の逆指名枠は1名に減ったが、そんなのは一切なしにして、完全ウェーバーにして10月に一斉にやってしまえば良いと思う。ウェーバーの優先順位だが、下位球団からすべきか、上位球団からすべきかは議論の分かれ道であるが、戦力均衡の精神や有望選手は早く1軍出場を促す意味でも、下位球団からでも良いと思う。ドラフトにリンクさせる問題として、FAとメジャー流出があるが、ドラフトで拘束する以上、FAそのものは必要であるが、移籍金など無駄な金は必要なし。人的保障やドラフト指名権の譲渡などで、解決すべきと考える。また、メジャー流出は避けられない状況だが、ポスティングシステムなどは一切廃止してしまうべきと考える。となると、入団契約時の「サイドレター」が気になる。だから、FAの年数も短縮し、それも1軍在籍年数ではなく、普通に在籍した年数も加味すれば解決しそうである。そして、これらの制度改革は、来年から一気に実施するよう、NPBはメジャーなどで経験のある者を採用して、決着をつけてもらいたい。

ロッテと阪神の日本シリーズがあったが、千葉マリンはほぼ半々のファンで、甲子園は9割方阪神ファンであったのは、ある程度想定の範囲内。この両軍の対戦だが、かつて星野仙一氏が阪神の監督時代に、あるテレビ番組で「ロッテも阪神同様ファンの熱気が凄いですね」と問われ、一呼吸置いて「ま、あちら(ロッテ)のファンは、マナーがいいですから」と言っていた。また、大阪ドームの警備員さんと話したときに、時々開催される阪神戦について「試合終わったらゴミ箱みたなスタンドですわ」とも言っていた。ゴミをゴミ箱に捨てるなんて行為が、マナーが良いなんて言われるのは不思議であり「当たり前」の話である。全国規模の阪神ファンというのは、非常にたいしたものである。しかし、ゴミを捨てないだけではなく、相手応援席に堂々と入り込んだり、勝てば相手ファンを小ばかにしたり、負ければ八つ当たり。挙句は、道頓堀での大立ち回りや、日本シリーズでは、ロッテファンと話していたというだけで、因縁をつけられたりなど、何か阪神ファンであるということが「特権階級」だと勘違いして、球場で大きな気分になっていないだろうか。確かに、最近は福岡あたりでも勘違いした者が出始めているようだが、阪神ファンは例外なく全国に非常識な者が多い。今季は、仙台で交流戦を見たが、阪神ファンを見て「うゎ、凄いなぁ」と、純粋に感動する穏やかな仙台のファンとは桁違いのバカさ加減は、世界中のどのスポーツと比べても例がない。プロ野球は、ファンのためという大原則なのだが、ファンなら何でもありというのは大間違い。よって、阪神球団が声を大にして注意を促さないといけないレベルに到達したと思う。

そんな感じで、パリーグのペナント争いだが、概ねロッテ・ソフトバンクが中心になることが予測されるだろうが「そうでもない」とは私の見方。
リーグ戦の順位に敬意を表し、ソフトバンクから行くが、城島のFAによってチームが大きく変るような気がするのは、誰でも同じであろう。FAで思い出すのは、3年前のノリ。あの時は、チームメイトは概ねノリに「残留してくれ」であったし、最後は梨田監督の粘り勝ちのような感じではあったが、城島の場合ここまで王監督も含め「本人の決断に任せる」ような感じである。何と言うか、それは確かにその通りだが、何か寂しくないのかな?という気がする。ホークスって、確かにプロ集団だし、近鉄と違って情の部分が少ないのだろうか。ま、確かに城島が抜けた場合のホークスは、小久保・井口の比ではないくらいの大きな戦力ダウンは間違いなさそうである。
プレイオフを勝ち抜き、一気に日本一になったロッテだが、序盤戦から交流戦にかけて、ほぼ全員が絶好調であった。そのような状態が、来季も続くのは考え難いので、来季は少しペースダウンしそうであるが、このチームは先発投手がしっかりしているので、大崩れはしないであろう。ただ、抑えの小林雅英の勤続疲労が気になるし、各ポジションの併用による、選手の負担も気になる。
3位だった西武は、豊田・石井が抜けそうな勢いだが、両投手にははっきりと衰えが見える。そうなると、替わって若手が出てくるのがこのチームの特徴であり、例えば小野寺あたりが抑えになりそうだ。その点では心配ないが、松坂メジャー挑戦やカブレラの巨人移籍の希望を公言し出したように、個々の選手のモチベーションの低下が気になる。戦力面では、5割を切るのは考え難いので、上昇はするとは思う。
合併2年目を迎えるオリックスは、いよいよフロント主導による、近鉄・阪急ファンの切り離し策が始まりそうだ。実際、今季はこの旧球団ファンによる苦情対応に苦慮したことであろう。ユニホームの形状やジェット風船の色などの些細なことであっても、それだけファンの心情を逆撫でする合併であったのだから、仕方ないところであるし、それに時間を割いている場合ではないので、切り離しが実施されるような気がする。外国人選手が契約で揉めているが、戦力ダウンは必至。もしかしたら、大崩壊する可能性がある。
北海道3年目の日本ハムであるが、若い先発投手に光明がある。正田・鎌倉・押本・須永そしてダルビッシュであるが、この5人がそのままローテーションに定着すると、上位進出が見えてくる。そうなると、エース金村のリーダーシップが求められる。打線もセギノールが契約で揉めているが、このチームは伝統的にヤンキースと上手に提携し、外国人の外れが少ない。小笠原も2年続けてスランプはなさそうだし、内外野ともレギュラーが固定化しつつある。懸案は抑え投手であり、横山・建山・マイケルあたりが候補になりそう。
最後に楽天であるが、野村監督の就任以前に、チームとして機能しない状態は考え難いので、もう少しマトモになりそうである。戦力面では、投手不足は否めないが、攻撃陣はそこそこ居るので、熱心な仙台のファンの声援に応え粘り強く闘えば、5割以上の可能性もあるとは思う。ただ、首脳陣の大幅な入れ替えが、成果を出すのは2007年以降ではあると思う。

そんなパリーグだが、現時点で勝手に順位予想してみると、こんな感じではなかろうか。
 @西武 A日本ハム Bソフトバンク Cロッテ D楽天 Eオリックス
ただし、城島が残留した場合は@ソフトバンクで以下繰り下げとする。今季は、1・2位だけが飛び出し、6位が空前の弱さから「2強3弱1問題外」であったが、この差はぐっと縮まって、激しい順位争いになるのは間違いないであろう。