2005プロ野球かくあるべし!
15.ビジターファン獲得へ
札幌・仙台・福岡、更には千葉も含めて良いかと思うが、パリーグにはフランチャイズをしっかりさせる球団が増えてきて、先の交流戦でも、たとえ相手が巨人や阪神でも、球場を埋め尽くす地元ファンの数では負けない状況が出来てきた。何度も行っている仙台でも、確かに応援の勢いでは阪神が上回ったが、数の上では断然楽天。同じ首都圏が地元の巨人が相手でも、千葉ではロッテファンが上回った。まことに結構!そして、その差は更に広まって欲しいと願う、今日この頃である。しかし、一方で「ビジターファン」を蔑にして良いのか?という疑問がある。確かに、交流戦では「人気のセ」が相手であったことと、物珍しさで日頃球場に足を運ばない方も、結構多かったと思う。少し冷静になれば、まだまだパリーグ単体で十分な集客は見込めないのが現状で、上記4球団は週末の試合は満員近くなるが、平日の内野席は、福岡ドームを除いてはまだ寂しい。そこにはやはり、パリーグ共存共栄の発想で、ビジターチームファンを受け入れるような形が欲しいのだが、別段フランチャイズ球団がビジターを排除していることはない。むしろ、ビジター球団側が、ビジターに出向いて、ファンサービスを行うのが望ましい。
例えば、昨年までの近鉄バファローズは、千葉や東京ドームの試合で、年に1シリーズ「ビジター応援シリーズ」を設定し、ファンクラブポイントの加算(なんと10ポイントも!)や、ピンバッチ・ラッキーカードの配布も行い、大阪ドームと同様のサービスが受けられ、関東の近鉄ファンに大変喜ばれたと思うし、大阪からも遠征しやすかった。同様に、大阪ドームでも相手球団の「ビジター応援デー」が頻繁に設定され、レフトスタンド裏側のコンコースには、相手球団ファンが大いに賑わっていた。今思えば、当時から協力関係にあったのが、ダイエー・ロッテ・日本ハムであり、何故か西武は当初から協力関係はなかった。また、オリックスはビジターでのサービスはなく、ホームではやや過剰気味なサービスが展開されていた。まあ、現状を見てもそれは変わりはないが・・・
ビジターファン獲得といえば、やはりダイエーを思い出す。近年はやらなくなったが、チームが弱かった立ち上げ当初は、藤井寺にダイエーの球団職員が大勢やってきて、3塁側やレフトスタンドのファンに、せっせとベースボールカードを配布したり、チケット割引、ファンクラブ加入勧奨を行ったりと、ホークスファンへのサービスを展開していた。これは、大阪だけではなく、もちろん神戸もそうだったが、関東にも出向いていたそうだ。それでも、特に大阪を重点的に活動したそうで、理由は取りも直さず「南海ホークス」ファンの継続しての応援依頼であり、恐らく、南海が身売りし、福岡に移転した時点で応援を辞めようと思った方でも、そこまでしてくれるならダイエーを応援しようと決意した方も多かったと思う。お陰で、当時の藤井寺は西武戦以外は満員になり難かったが、ダイエー戦もかなりお客さんは入っていた。ホークスの応援席は、大阪・神戸では地元福岡とは趣が違うことをご存知の方は多いと思う。それは「南海ホークス」色バリバリで、今でこそチームが強くなり、純ダイエーファンの占有率が増えたが、藤井寺時代は南海時代のそれと、別段変わりなかった。そして、ソフトバンクになった今も、その姿は変わりない。
ホークスが、パリーグ随一の人気球団になったのは、強力なチームであることと、このダイエー時代の「地道な営業」によるものである。関西に於いては、完全に彼等の懸命な姿に、情が移ってしまったのであろう。しかし、それは地元九州でも同じのようで、一軒一軒住宅を訪問しては、更にスーパーで買い物したお客さんに「ホークスを応援してください」と呼びかけ、今日の人気があると思う。この効果は、親会社の選択を誤らせなかった。とても球団を持てなくなった親会社が、巨人を初めとする球界の「圧力」にも屈せず、敢然と「身売り」という選択肢を選んだ。そこには「自分達が頭を下げて、ファンになってくれた方々を裏切ることはできない」という背景があるはずである。そういう努力が、しっかりとした地盤を創り、良い買い手が付いたことに繋がったのである。たとえ、世界に冠たるソフトバンクでも、このホークスの地盤を無視することはできないであろう。親会社の都合で、泣く泣く球団を手放したダイエーは、それでも球団経営については素晴らしかった。
さて2005年、近鉄が消滅して、主に選手が移った楽天とオリックス。残念ながら、どのビジターを見ても、近鉄時代の数から比べ激減しているように見える。それは、それぞれの地域の近鉄ファン・ブルーウェーブファンが「もう行く気がしない」という方も増えたであろうし、地元関西からの遠征組も「もう、そこまでして行く気はしない」という方も多いであろう。かく申す私も、さすがに今季からは仙台には行っても、札幌や福岡へまで出向く気はしないのは現状である。それでも、福岡は過去毎年1回は行っていたので、その後どうなったか気になるし、札幌も魅力はあるので、来季以降計画はしたいなと考えている。それよりも何よりも、難民となった近鉄ファン・ブルーウェーブファンを獲得するのも、球団経営におけるチャンスではなかろうか?
ここからは楽天について書くが、楽天にとってのビジター、札幌・関東・福岡そして関西であるが、ここまでマスコットの登場はあっても、特段ファンサービスはなかったと思う。正直、地元で手一杯なのは判るが、些細なことでも近鉄・ブルーウェーブのファンは「楽天は、近鉄(またはブルーウェーブ)を忘れていない」と、嬉しいものである。例えば、福岡ドームに来場した楽天ファンクラブ会員に、岩隈・竜太郎あたりのカードを配布したらどうか。札幌ドームに来場した、楽天ファンクラブ会員に、礒部・金田らのピンバッチを配布したらどうだろう。いままで行くのを拒んでいた、近鉄・ブルーウェーブファンの方も、行ってみるか!となるきっかけになるのではなかろうか?もちろん、その場でファンクラブ会員加入もOKで、現に仙台でもやっているのだから手続き上面倒なことはない。楽天は、ダイエーと違って店舗の全国展開はしていないから、人員的に厳しいかも知れないが、いや、今のインターネットの時代の最先端企業であるから、幾らでも工夫は出来る。例えば、札幌でも福岡でも、今この場で携帯サイトの会員登録すれば、Mr.カラスコグッズを差し上げます!などを行える筈である。
ビジターファンを多くする。それは、共存共栄を旨とするパリーグに於いては、フランチャイズ球団にも有難いことでもあるから、概ねフランチャイズ球団の理解は得られるであろう。また、優勝するためには、ビジター球場でも勝ち抜く必要もあり、ダイエーがそうだったように、地元よりは少ないながらも、ファンの応援が必要なのである。できたての球団の楽天は、現状地元仙台だけで手一杯なのは判るし、ビジターまで手が廻らないのも理解できる。ようやく、仙台が軌道に乗ってきた段階であるから、本格的なビジター展開は来年以降になろう。しかし、時間が経過すれば、難民ファンも遠ざかることをお忘れなく。7月2・3日の仙台での日本ハム戦は、交流戦阪神戦のチケット所有者に、割引を実施した。来季以降は、ファンクラブ割引の実施や、ビジターファンクラブ割引の参画も実施して「パリーグの一員」として、全国にファンを増やすこと、更に仙台に相手球団ファンに来て貰うことを念頭に、更なるファンサービスを展開して欲しいと思う。
オリックスバファローズは、ビジター云々の前に、地元を何とかすべきであると考える。現状、阪神タイガースとの人気差を埋めるのは、非常に困難であり時間を要する。であれば、何か一つでも阪神を上回るものが欲しいのだが・・・私的には是非「野球の実力」であって欲しいと願う。それとあの「無差別無料入場券」は・・・ま、これを書くと長くなるし、主旨と違うので今回はこれにて終了。