野球の話(バファローズの話)
バファローズのキャンプ
残念ながら、私は近鉄バファローズ以外のチームのキャンプを生で見たのは、昨年の楽天が初めてなので、他球団とは比較は出来ません。しかし、近鉄バファローズのキャンプには、日向に9回と、サイパンに1回見に行きました。サイパンは別として、日向に行ったのは、大体2月の後半が多かったのですが、やはり練習だけを見ても単調なので、紅白戦もぜひ見たいという思いがありました。それとやはり、長いオフが終わって、選手たちがユニホームを着てグランドで投げて打っての姿を、いち早く見たいという思いもありました。幸か不幸かバファローズは、ギャラリーもマスコミも少ないので、それこそじっくりと堪能できるのですが、基本的に週末でしたので比較的混んではいましたね。
キャンプ地は、私が見始めたころは、同じ宮崎の延岡市で行われていました。機会があれば、日向に行ったときのついでに、昔キャンプを行っていた「西階球場」にも行ってみたかったのですが、その機会は逃しました。西本監督時代の最初は延岡でしたが、いつだったか四国は高知の宿毛市で行われるようになりました。当時は、井本隆投手が高知県出身で、プロ野球ニュースなどで、観光地の紹介などを行っていたのを記憶しています。この延岡と宿毛は、少なからず近鉄と関係の深いところだと思います。と言うのも、当時から「近鉄高速バス」が走っていて、東京などの大都市と違い、こう言っては失礼ですが、地方でもやや小規模的なところですので、需要としては少ないのではないかと思われるところへ、わざわざ毎晩走らせているわけですからね。現在は、延岡は廃止されましたが、宿毛へはまだ走っています。延岡と日向は割合近いので、2回ほど私も延岡行きは利用させて貰いました。
その後は、日向およびサイパンが定着するようになったのですが、日向にはとても良い思い出がたくさんあります。宮崎空港から、特急で約1時間のところに「日向市」駅があり、その駅前が中心なのですが、選手たちが宿泊するホテルも駅前からちょっと歩いたところにあるのですが、周辺は繁華街。夜になれば、くり出す選手も多く、例えばコンビニなんかで選手と出くわすなんてのは当たり前の状況でした。一方で、ホテルの駐車場なんかでは、素振りをする若手選手もいたり、街中には「歓迎近鉄バファローズ」のノボリもあったりして、この時期の日向市はバファローズ一色になった感じでした。
大阪から日向に行くには、実は色々な方法があって、最も一般的なのが、飛行機で宮崎空港まで行って、JR日豊線で日向市駅まで出る方法。一番速く行けるのですが、結構忙しかったりしますし、最近はそうでもないのですが、やはり値段は高い。またJRでは寝台特急「彗星」があり、大阪を21時頃出発し日向市駅に到着するのが10時ちょっと前。ぐっすり眠れますし、時間効率は最も良く、帰りも日向市駅19時頃出発で、大阪に到着するのが7時過ぎですから申し分なしですね。また、貝塚にある大阪南港からも、一時期なくなったのですが、日向港行きの夜行フェリーが復活しています。これはかなり早い時間に日向に到着しますが、舟の場合は等級によって料金が大きく違い、実際に寝る環境も違いすぎます。一番安いのでしたら、料金はどの交通機関と比べて格段に安いのですが、雑魚寝状態であまり心地良くない。一方で高いのになると、素晴らしい部屋があるのですが、余りにも高過ぎる。私の場合は、上記の延岡行きの夜行バスも含め、4通り試しましたが、一番良かったのはやはり「彗星」でしたね。電車の駅ですと、次の動きが楽です。空港や港の場合は、案外そこに出るのにも不便だったりしますしね。
日向キャンプのメイン球場は、お倉が浜公園野球場ですが、ここはプロの公式戦はおろか、オープン戦もちょっと難しい感じで、一応照明設備はありましたが、ロクなスタンドも無く公園の野球場に毛が生えた感じの球場でした。外野の奥は林になっていて、そこを超えると海岸でした。近鉄のキャンプ中継で、砂浜を選手が走っている姿を見た経験のある方は多いと思いますが、実は球場のすぐ近くなんですよね。球場自体もちょっと狭くて、外野の奥には防御ネットも張られていましたが、ブライアントや中村紀洋は、その上を越える打球を打つもんですから、たまったものじゃなかったでしょうね。ま、それでも、練習施設としては寂しく、メイングランド以外は、陸上用のトラックがありましたが、砂地でしたのでね、ノックなんかもやっていました。またエアテントや室内練習場も造ってありましたが、他にはサブグランドと称した芝生がありましたが、ストレッチなどを行う程度の広さしかありません。しかし、近鉄バファローズって、大らかだったんですよね。そんなサブグランドには、全く柵や立入禁止区域などはなく、特に芝生の広場なんか、普通に子供たちが脇で遊んでいたりして、その中で練習していましたからね。ブルペンや、室内練習場は、さすがに禁止区域は設けられていましたが、ブルペンは最大で6人までしか投げられず、室内練習場は、内野のスペースくらいでしたね。今の時代には、ちょっと不足気味の施設かも知れません。また、2軍用には、日向市営球場(大王谷球場)があり、こちらはスタンドもしっかりしたものがあり、球場らしい球場でした。しかし、お倉が浜も大王谷も、日向市駅からかなり遠いです。よって、バスなどの交通機関を使う必要がありますが、これまた本数が少ないので、結構タクシーなんかも使いましたね。地元の方々は、車で来ていますので、問題ないですけどね。
しかし、寂しい施設であるがゆえに、選手との距離が近く、メイン球場からサブグランドや室内練習場へ、選手が頻繁に行き来しますが、普通に歩いているので、ファンとの交流もできるんですよね。実は私も、毎年日向に行き始めた頃は、このタイミングで選手にサインなど貰いましたが、藤井寺でファームの試合前にサイン会を行うようになってからは、辞めました。ある年など、27枚貰ったなんてアホなこともしましたけど、結構荷物になりますんでね。最後の頃は、水口あたりは無愛想になりましたが、入団した時には結構喜々としてやっていましたけど、そのあたりのギャップが可笑しくもあり、偉ろーなったなと思うものでもありです。ただまあ、基本的には練習に来ているわけであって、あまりムチャできない。そこもまた選手の心理であって、まだ無名の頃だったら結構真面目にサインなどしてくれますが、ちょっと活躍すると態度も変ったりするので、面白いものです。確かに、全員に応えていたら切りがないのでしょうが、そこへ行くと外国人選手はズゴかった。ブライアントもローズも、私が見ていた範囲では、キャンプ中は1時間くらい平気で任意のサイン会をしていましたものね。ローズなどは練習中に、移動しているときには声を掛けられても「アトデ、アトデネ」と言っていますが、練習が終われば、どんだけでもサービスしていましたね。それだけ、練習に集中していて、練習が終わればリラックスする。外国人選手の集中力と、メリハリは素晴らしいものがあります。近鉄の日本人選手も、大いに見習って欲しい点ではありましたけどね。
昨年楽天になってからは、立入禁止が増えたのは、残念と言うよりは仕方ないところですかね。ムリですよ、他の球団には近鉄のように豪傑にはなれませんから。不細工でお洒落じゃないけど、飾らず豪快なイメージの近鉄バファローズを垣間見る、良い機会だったと思います。